語り人 二宮隆の「風の朗読」

朗読通して日本語のすばらしさを伝えていきたい!海外から見た日本についての気付きもシェア出来たらと思います。

【伝わる朗読とは】06:整数次倍音と非整数次倍音

さて、前回は、音の中には、基音以外の音に倍音というものがある。
そして、その倍音の中に整数次倍音非整数次倍音の2つがあるということを話しました。

この倍音ということについては、私は特に気にしていませんでした。
ピアノとクラリネットの音色は違うけど、どうして違うかについて、疑問を持ったことはなかったのです。そして、人の声の違いがある理由は倍音の成分の違いであったとは、初めて知りました。(一応、理系なんですけどね。)
私は、ここに「伝わる朗読」につながる何かがあると感じたのでした。

今回は、これらの倍音の特徴について見てみましょう。

整数次倍音とは、基音の周波数の整数倍の音です。
この倍音は、基音の音を強調して、共鳴するような音であるということが直感的にわかるのではないでしょうか?
つまり、整数次倍音が多く含まれる声は、はっきりくっきりとした音になります。
また、高い倍音が多ければ、きらきらした音、低い倍音が多ければ、太くどっしりした音になります。
このような整数次倍音の多い声を出す芸能人は、黒柳徹子さんやタモリさんが代表的です。
彼らの声をイメージしてみると、「なるほど・・」と思うはずです。

逆に非整数次倍音というのは、基音を邪魔するような音、雑音みたいな音になります。
声としては、ハスキーボイスというのが当てはまると思います。

非整数次倍音の多く含まれる声には、明石家さんまビートたけしなどの芸能人が当てはまります。

イメージすると、声に特徴のあることが分かると思います。

ですから、声の特徴を形作るのは、この倍音の成分がどのように含まれているかに関係してくるというわけです。

まとめてみると

声には、いろいろな高さ(周波数)の音の成分含まれている。
その中で一番多く含まれる音が「基音」となって、声の高さが決まる。
その他の高さの音は、倍音という。
倍音には、2種類あり、基音の周波数の整数次倍の音を整数次倍音
整数倍ではない音を非整数次倍音と呼んでいる。

整数次倍音が多い声は、はっきりくっきりした声になる。
非整数倍音の多い声は、カサカサ、ガサガサという感じのハスキーボイスな声になる。

そして、繰り返しになるのですが、声の特徴は倍音の成分に関係があるということのようです。ここが朗読の伝わり方に関係してくると思うのです。